【完】小さなしあわせ、重ねよう。


「えみは子供は好きなの?」

「うん!可愛いし、笑顔がすごく好き。」


嘘偽りのない笑顔に頬が緩む。

俺はやっぱりこの笑顔が好きだ。


何度、この笑顔に救われたかわからない。

それほどえみの笑顔は俺に元気や勇気、幸せを与えてくれた。


「そういえば、シーたちは?」

「ベッドのところにいるよ。」


ネコ部屋と化した一室に向かい、中に入った。

電気をつけると、白・茶・橙の3つの塊があった。

シー、ゴマ、きなこがそれぞれベットで丸まって眠っていた。

あれからゴマやきなこが成長したので、ネコ用ベッドが2つ買い足された。


「ただいま」


それぞれの頭を撫でながら声をかける。

いつの間にやらネコとの生活にも慣れ、毎日癒しをもらっている。


「なんだよ~、きなこー。噛むなよ~こら~」


シーは会った当時はガリガリに痩せていたが、今ではしっかりとした体形になった。
むしろ、ぷっくりしている。

ゴマは女の子らしくなり、毛の手入れが入念な子になった。
最近はキャットタワーの最上階で下を眺めるのが好きなようだ。

きなこはわんぱく坊主になり、よく部屋を散らかすようになり、えみが手を焼いている。
最近は頭を撫でると指を甘噛みしてくる。キャットタワーについているおもちゃのネズミで遊ぶのがマイブームらしい。



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