プレイボーイの甘い罠
心臓が早鐘を打つ。まだ、葵を見ただけなのに。
「今日は伊織の誕生日、なんでしょ?その……おめでと」
最後のほうは少し声が小さかったがちゃんと聞こえた。
やばいやばい。なにこいつ可愛すぎ。
顔を真っ赤にしながら素っ気なく言う。
葵のツンデレは幾度となく発揮されてきたが、そろそろ限界かもしれない。
「あら、青春ね~」
「「!?」」
母さんがいることを忘れかけていた俺たちは母さんの一言に驚いてしまった。
今日という日は2人だけにして欲しい。
そんな願いを込めて母さんを見つめると
「分かってるわよ、伊織。私これから友達の家に泊まりに行ってくるわ」