初恋さくらんぼ
「はぁー…。」
なんで、先輩とか、隣のクラスの人とか、
そういうんじゃなくて、
カフェのお兄さん、なんだろう…。
『なしたー?深刻そうなため息なんてしちゃって。』
この電話の相手、美香。
私の、唯一の親友。
『もしかして、恋!?』
図星。
なんでわかるのー?
私は、美香にカフェの店員さんのことを話した。
『何、その人、脈アリなんじゃないの?』
「みゃ、脈アリって!別に狙ってる訳じゃないんだから」
そう。今はこうして、見てるだけで幸せ。
そしてたまに、話せたらいいな、なんて。
『ちょっとー、何それ?
好きになった以上は、妥協は許されないんだよ。』
「は、はい…」
美香に何を言ったって敵わないのは分かってたから。
私は仕方なく、頷いた。