僕が失くしたもの、得たもの、そして彼女の失敗
先端が幾分広く、さえ箸よりは効果が期待できそうだ。

持ち手も大きく問題は無い。

でも、「孫の手」には遠く及ばない。

まだ、柄のついた、たわしの方がましだと思った。

そして僕はそれを手に取ってみた。

それはいかにも「掻きむしれそう」だった。

効果はてき面だろう。

でもそれはやっぱり、たわしだった。

便器の中を磨くものなのだ。

そういうものが、リビングの真ん中に転がってる様子を想像した。
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