僕が失くしたもの、得たもの、そして彼女の失敗
僕は日用雑貨のコーナーをくまなく探し、再び、食品のコーナーにやってきた。

そしてさえ箸としゃもじの間に、見慣れないものを見つけた。

パスタの麺が絡まないように、ゆでる時にかき回す棒である。

汎用性のかけらもないが、それはいかにも「孫の手」だった。

形は全然違っていて、どちらかというと「猫の手」かもしれない。

または大きな歯ブラシ。
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