祠の鬼
カウンターに行くと、雨野深理(あまのしんり)を沙夜が熱心に誘っている最中だった。
「雨野くんも一緒に行こうよ、祠」
「どうしてオレなの?」
「だって、雨野くんみたいなイケ男いた方が絶対盛り上がるし!」
「……いいよ」
一瞬目が合ったような気がした――が、ほんの一瞬の出来事だったので、ありさは気のせいだと思った。それより、雨野が了承した方が意外だった。
まさか承諾してもらえると思わなかったのは沙夜も同じで、満面の笑みを浮かべる。
「ほんと!? やったあ雨野くんゲットだ! あともう一人男子いたらいいんだけど……雨野くん、心当たりない?」
沙夜がカウンターに身を乗り出して聞くと、雨野は少しだけ考えて答えた。
「永津間響(ながつまきょう)。隣のクラスで、家が古書店らしい」
「雨野くんも一緒に行こうよ、祠」
「どうしてオレなの?」
「だって、雨野くんみたいなイケ男いた方が絶対盛り上がるし!」
「……いいよ」
一瞬目が合ったような気がした――が、ほんの一瞬の出来事だったので、ありさは気のせいだと思った。それより、雨野が了承した方が意外だった。
まさか承諾してもらえると思わなかったのは沙夜も同じで、満面の笑みを浮かべる。
「ほんと!? やったあ雨野くんゲットだ! あともう一人男子いたらいいんだけど……雨野くん、心当たりない?」
沙夜がカウンターに身を乗り出して聞くと、雨野は少しだけ考えて答えた。
「永津間響(ながつまきょう)。隣のクラスで、家が古書店らしい」