もう一度…。
5年前、突然の事故で隼君をなくして

わたしは心が不安定になり、

それまでのような生活が送れなくなってしまった。


美緒を同じようになくしてしまうんじゃないか

そればっかりが頭に浮かんで

幼稚園や小学校に笑顔で送り出すことができず

しばらくずっとそばで監視するような生活をしていた。


そんなとき『このままじゃダメだよ』と叱ってくれたのは都だった。

出歩く気力がないわたしを半ば強引に連れ出し

カウンセリングを受けさせてくれた。

わたしが代わりに見ていてあげるからと

美緒から離れる時間を作ってくれたのも都だ。


おかげでわたしは少しずつ美緒と離れることができ

今では笑顔で小学校に送り出すことができている。



そして今日、わたしは初めて美緒のいない夜を過ごす。
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