もう一度…。
矢島湊の周りには男たちが集まり、あれやこれやと質問攻めにしている。

顔ちっちゃいな~。
テレビのまんまだよ~。
ホントに実在するんだな~~。

そんなことを考えながら隣のテーブルに座ってる矢島湊を見てると


「ゆり、口あいてる。」


都からするどい突っ込みがはいった。


「だって、あんなに顔ちっちゃいんだよ。美緒とおんなじくらいだよ。
 怖くて、一緒に写真撮ってくださいって言えないよ。」


わたしが小声で耳打ちすると


「たしかに。」


都は笑いながら頷いた。


「そうは言ってもこんなチャンス二度とないよ!サインと写真は必ずゲットだ。」

「そだね。」



わたしたちは腕を組み、盛り上がっているみんなの輪の中に入っていった。
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