もう一度…。
「あの、名前は『美緒ちゃんへ』でお願いします。」


「美緒ちゃん??」


矢島湊はサインをしながら、わたしを指さした。


「あ、いえいえ、違います。美緒は娘なんです。娘がよく矢島さんのドラマ見ているので。」


「そうなんですか。ありがとうございます。」


「いえ、こちらこそ、図々しくすみません。」


書き終えたサインを受け取りながら、わたしは深々とお辞儀した。


「いくつですか?」


「え?」


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