もう一度…。
彼の言葉に頭を上げると


「お子さん、歳いくつですか?」


少し怒ったような顔をした彼が聞いてくる。


「あ、あぁ娘は10歳です。めちゃくちゃ生意気ですよ。」


その表情に戸惑いながらも苦笑いしながら言うと、


「もう遅いですよ。帰った方がいいんじゃないんすか。娘さん待ってますよ。」


そう言って、すっと顔をそらされる。


「えーーと…そうですよね。」


なんか怒らせちゃった……かな。
でも、今日初めて会った人に詳しい事情を話すのも変だし。


「えーっと、でも今日は、あの――」

なんて言えば角が立たないかな、なんて考えながら困ってると
都が隣にやってきた。

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