もう一度…。
「おっっきぃねぇぇーーー」
20階建てのビルを見上げながら、思わずつぶやいた。
ビルのちょうど真ん中あたりにある、大きな球状のモニュメントが
太陽の光を反射して、キラキラと輝いている。
「もぅ、お母さん!田舎者みたいだからやめてよー。」
「へへ、ごめん。」
美緒からちょっとしたお叱りをうけ、わたしは見上げるのをやめた。
「ゆりー!」
声のするほうを向くと、ビルの入り口に近藤君が立っている。
今朝早くに、ツアーの前に用があると連絡があったのだ。
慌てて入り口に向かうと、美緒をみてうれしそうに笑っている。
「おっきくなったなー、美緒ちゃん。」
勢いよく頭を撫でられ、美緒は照れくさそうだ。
「急に呼び出して悪かったなぁ。おれもこの時間しか出てこれなくてさ。」
そういいながら、今も時計を気にしている。
「全然、大丈夫。少し早めに着けばよかっただけだし。
で、用って??」
わたしが聞くと、おもむろに紙袋を差し出した。
「なに??」
「湊から。これ、渡してほしいって言われてさ。」
「え…湊って、、、。」
「矢島湊。」
周りが気になるのか、わたしに聞こえるか聞こえないかくらいの声で囁く。
「え? え??」
状況がよく掴めない。
「なんか、こないだの事、やっぱ気にしてたみたいでさ。お詫びだって。」
「いやいやいや、そんなお詫びしてもらうようなこと、されてないしっ。」
慌てて紙袋を押し返す。
「おれもそう言ったけど。あいつ、それじゃ気が済まないから、どうしてもって。」
そういって、また紙袋を差し出され、わたしは仕方なく受け取った。
「なんか、悪いことしちゃったな。」
「ま、せっかくだし受け取ってやってよ。
そこのお菓子、結構有名でさ、朝から並ばないと買えないんだよ。
それを、マネージャーに頼み込んで、買ってきてもらったみたい。」
「…ますます申し訳ない…。」
「ははっ。何気にマネージャーはうれしそうだったけどな。
普段そういう我がまま言うやつじゃないからさ。
どうしてもってお願いされて、びっくりしたって。」
「そう、、なんだ。」
うれしい、、、って思ってもいいのかな。
彼の中では、ただの気恥ずかしい出来事として
もう終わったことだと思っていた。
あれからも、思い出していてくれていたんだ。
お礼を言いたいのは、こっちのほうなのに…。
「あのさ、もらいっぱなしも申し訳ないから、
こっちからも何か送っても大丈夫かな?もちろん、事務所宛てに。
……そういうのはやっぱ迷惑かな。」
「どうかなー、多分いらないっていうと思うけど、、。」
近藤くんは少し考えこんで、頭をポリポリかいた。
「でも、ゆりの気持ちもわかるしなぁ…。
とりあえず、事務所にそういうの送りたいってことは伝えとくわ。
あとは向こうの判断ってことで。」
「うんうん、それで充分です。ありがとう。
ごめんね。なんか手間かけさせちゃって。」
「いやいや、元はと言えば、おれがあの店選んだからで、、。
ちょっと反省してました。すまん。」
顔の目の前で手を合わせ、頭をさげるしぐさに
わたしはちょっと笑ってしまった。
「全然。忙しいのにお店選びとかありがとうね。」
わたしの言葉に少しホッとした顔をして
近藤くんはあわただしく去っていった。
盛大に口をとがらせた美緒を残して…。
あぁ、、これは説明が大変そうだ。。。
20階建てのビルを見上げながら、思わずつぶやいた。
ビルのちょうど真ん中あたりにある、大きな球状のモニュメントが
太陽の光を反射して、キラキラと輝いている。
「もぅ、お母さん!田舎者みたいだからやめてよー。」
「へへ、ごめん。」
美緒からちょっとしたお叱りをうけ、わたしは見上げるのをやめた。
「ゆりー!」
声のするほうを向くと、ビルの入り口に近藤君が立っている。
今朝早くに、ツアーの前に用があると連絡があったのだ。
慌てて入り口に向かうと、美緒をみてうれしそうに笑っている。
「おっきくなったなー、美緒ちゃん。」
勢いよく頭を撫でられ、美緒は照れくさそうだ。
「急に呼び出して悪かったなぁ。おれもこの時間しか出てこれなくてさ。」
そういいながら、今も時計を気にしている。
「全然、大丈夫。少し早めに着けばよかっただけだし。
で、用って??」
わたしが聞くと、おもむろに紙袋を差し出した。
「なに??」
「湊から。これ、渡してほしいって言われてさ。」
「え…湊って、、、。」
「矢島湊。」
周りが気になるのか、わたしに聞こえるか聞こえないかくらいの声で囁く。
「え? え??」
状況がよく掴めない。
「なんか、こないだの事、やっぱ気にしてたみたいでさ。お詫びだって。」
「いやいやいや、そんなお詫びしてもらうようなこと、されてないしっ。」
慌てて紙袋を押し返す。
「おれもそう言ったけど。あいつ、それじゃ気が済まないから、どうしてもって。」
そういって、また紙袋を差し出され、わたしは仕方なく受け取った。
「なんか、悪いことしちゃったな。」
「ま、せっかくだし受け取ってやってよ。
そこのお菓子、結構有名でさ、朝から並ばないと買えないんだよ。
それを、マネージャーに頼み込んで、買ってきてもらったみたい。」
「…ますます申し訳ない…。」
「ははっ。何気にマネージャーはうれしそうだったけどな。
普段そういう我がまま言うやつじゃないからさ。
どうしてもってお願いされて、びっくりしたって。」
「そう、、なんだ。」
うれしい、、、って思ってもいいのかな。
彼の中では、ただの気恥ずかしい出来事として
もう終わったことだと思っていた。
あれからも、思い出していてくれていたんだ。
お礼を言いたいのは、こっちのほうなのに…。
「あのさ、もらいっぱなしも申し訳ないから、
こっちからも何か送っても大丈夫かな?もちろん、事務所宛てに。
……そういうのはやっぱ迷惑かな。」
「どうかなー、多分いらないっていうと思うけど、、。」
近藤くんは少し考えこんで、頭をポリポリかいた。
「でも、ゆりの気持ちもわかるしなぁ…。
とりあえず、事務所にそういうの送りたいってことは伝えとくわ。
あとは向こうの判断ってことで。」
「うんうん、それで充分です。ありがとう。
ごめんね。なんか手間かけさせちゃって。」
「いやいや、元はと言えば、おれがあの店選んだからで、、。
ちょっと反省してました。すまん。」
顔の目の前で手を合わせ、頭をさげるしぐさに
わたしはちょっと笑ってしまった。
「全然。忙しいのにお店選びとかありがとうね。」
わたしの言葉に少しホッとした顔をして
近藤くんはあわただしく去っていった。
盛大に口をとがらせた美緒を残して…。
あぁ、、これは説明が大変そうだ。。。