初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。




「なんで言わないの、言ってよ」


「……へ?」



「……いや、北山さんが言うわけないよね。

ていうか気付かなかった俺が悪いんだけど」




え、言わなかったことに怒ってるの…?

なんで、だって、そんなの……




「知ってたら俺だってプレゼントくらいあげたのに」



知ってたら、お祝いしてくれたの……?

嬉しすぎるその言葉に、思わず頬も緩んでしまう。

何笑ってんの、なんて睨まれたけれど、ニヤニヤは抑えられない。




「何か欲しいものとかある?

行きたいところとか、したいことは?」




急な質問攻め。

やっぱりまだ不機嫌なのか、それともこれは照れてるのか。


私にはどっちだかわからないけど。





「じゃあ、あの…

おめでとうって、言ってほしい…です」




後者だったら嬉しいと思う。



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