初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。



「え、そんなので嬉しいの?」



「う、うん!」





南雲くんにおめでとう、なんて言ってもらえたらそれだけで十分だ。


隣にいる南雲くんを見つめれば、眉をしかめて顔を逸らす。




「そんな見られると、恥ずかしいんだけど」


「えっ、ごめんなさい…!」



「だから謝らなくていいって…


……誕生日、おめでとう」






そう言った南雲くんの頬が微かに赤い気がして。

でもきっと、わたしの頬の方が赤くて。




……好きだなぁ。




きっと、こういうこと言うの苦手なのに。


それでも照れながら、言ってくれる南雲くんが。




……南雲くんも、そう思ってくれてたらいいのに。





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