初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
好き、だなぁ。
笑うと細くなる目も、少し上がる口角も、陽に当たって明るく見える髪も。
いつの間に私、南雲くんのこと、こんなに大好きになっちゃったんだろう。
「ありがとう、大切にするね!」
ブレスレットを丁寧に箱に入れて言えば、また笑ってくれる南雲くん。
「あ、南雲くん、あの…
私もオススメの本持ってきたんだけど…」
バッグの中から取り出した本を受け取って、南雲くんは「へえ」と呟いた。