初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
違うのに、分かってるのに。
南雲くんがヤキモチなんて、妬くわけないのに。
都合のいい妄想ばかりが膨らんで、私の頬まで赤くなりそうだ。
「伊織先輩に貰ったのはケーキです。
先輩の家はケーキ屋さんなので、いつも誰かの誕生日には持ってきてくれて…」
「あ…そうなの」
少し拍子抜けしたような南雲くんに、思わず笑ってしまった。
なんか、嬉しい。
ヤキモチなわけないけど、九割九分カン違いだけど、嬉しい。