初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
いいんだ、作るの楽しかったし。
いつもより丁寧に野菜を切ってみたり。
彩りもちゃんと考えてみたり。
…本音を言えば、やっぱり食べて欲しかったけど。
もう少し勇気が出たら、作ってくるね、って言ってみよう。
「今日も保健室行くの?」
放課後、チャイムが鳴ると同時に南雲くんが言う。
「うん…!」
「じゃあ一緒に帰ろ」
「はい!」
やった、嬉しい。
一緒に帰る嬉しさと緊張にはまだ慣れない。