初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
恭介くんと南雲くんも、去年同じクラスだったとかで面識もあったみたいで、良かった。
「恭介、なに乗りたい!?」
にこにこしながら恭介くんに話しかける乃愛ちゃんは、ものすごく可愛い。
恋してるって感じの笑顔が、さらに可愛さを増してる感じ。
「南雲くん、乗りたいものとかある…?」
「いや、特に。夕陽は?」
一方私は、さらっと呼ばれる「夕陽」って名前にすらまだ緊張してしまう。
「うーん、コーヒーカップかなぁ。
乃愛ちゃん、いつもこれ乗りたがるんだよね」
乃愛ちゃんがコーヒーカップ大好きだから、私は乃愛ちゃんと遊園地に来るといつもコーヒーカップに乗る。
と。
「コーヒーカップだろ?最初は」
目の前で、乃愛ちゃんに微笑みかける恭介くん。
さすが幼なじみ、好きな乗り物もちゃんと分かってる。
こういうの、いいなぁ。
付き合ってないはずなのに、私たちよりずっと、カップルみたいなんじゃないかな…。