初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
ゆっくりと、上がっていく観覧車。
一周は何分なんだろう。
緊張して、息が詰まりそうで。
でも、終わって欲しくなくて。
沈黙が、逆に緊張する。
南雲くん、何か喋ってくれないかな。
いや、私が喋ればいいんだけど。でも何話していいか分からない。
…て、いうか。
風が吹くと少し揺れるゴンドラとか。
外を見ると、どんどん小さくなっていく景色とか。
…怖い、なんて言えない。
実は、高所恐怖症なんだけど。
だから乃愛ちゃんと来た時も、観覧車だけは避けてたんだけど。
いやいや、乃愛ちゃんたちのためだもん。
私が怖いなんて言ってられない…!
「…どうかした?」
「え?」
「……」