初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
何も言わずに、急に立ち上がった南雲くんに、グラリと揺れた観覧車。
「ひゃ、っ」
そのまま、私の隣に移動した南雲くん。
揺れるゴンドラが怖くて、思わず南雲くんの服をぎゅっと掴む。
「…やっぱり怖いんじゃん」
「き、気付いてたの…?」
「手、震えてる」
「っ、」
気付かないうちに震えていた私の手を、南雲くんの手が包み込む。
心臓が、バクバクうるさい。
自分の心臓の音って、こんなに大きく聞こえるんだ。初めて知った。
私の手に伝わるのは、南雲くんの温もりで。
ちらり、と見上げたら、ちょうどこっちを向いた南雲くんと目が合った。