初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
なんていうか、よく分からないけど。
冬花さんはまだ、絢星くんのことが好きなんじゃないかなって。
そんな気がした。
「ねえ絢星、今日一緒に帰ろうよ」
休み時間のたびに聞こえる2人の会話に、どうしたって心がモヤモヤして。
トイレにでも行こう、と立ち上がった時。
「ごめん、夕陽と帰るから」
さらりとそう言ってくれた絢星くんに、何故だかわからないけど、じわりと涙が滲んだ。
私が彼女だよって、言ってくれたような気がして。