初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。




「…私も一緒に帰っちゃダメ?」



帰り道ちゃんと覚えてなくて、と続ける冬花さん。





「あの!私保健室に寄って帰らないといけないから、先に2人で帰ってて!」





何言ってるんだろ、不安なのに。


2人が付き合っちゃうんじゃないかって、怖いくせに。


2人が仲良くしてるの見るの、嫌なくせに。




…でも、帰り道がわからないなんて、そっちの方が不安だよね。


私の勝手なワガママで、転校したばかりの冬花さんを不安にさせるなんて、ダメだ。



知らない人たちばかりの中で、仲のいい絢星くんと一緒にいたいのは、当たり前。



…私、なんでこんなに心狭くなっちゃったんだろう。


こんなモヤモヤ初めてで、どうしたらいいのかわからない。




< 154 / 247 >

この作品をシェア

pagetop