初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
「…私も一緒に帰っちゃダメ?」
帰り道ちゃんと覚えてなくて、と続ける冬花さん。
「あの!私保健室に寄って帰らないといけないから、先に2人で帰ってて!」
何言ってるんだろ、不安なのに。
2人が付き合っちゃうんじゃないかって、怖いくせに。
2人が仲良くしてるの見るの、嫌なくせに。
…でも、帰り道がわからないなんて、そっちの方が不安だよね。
私の勝手なワガママで、転校したばかりの冬花さんを不安にさせるなんて、ダメだ。
知らない人たちばかりの中で、仲のいい絢星くんと一緒にいたいのは、当たり前。
…私、なんでこんなに心狭くなっちゃったんだろう。
こんなモヤモヤ初めてで、どうしたらいいのかわからない。