初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。



「ありがとう、夕陽ちゃん!」




そんな可愛い笑顔で言われたら、女の私だってドキドキしちゃいそうだ。



「ごめんね」



眉を下げて言う絢星くんに、首を振る。




「絢星、ご飯も一緒に食べよう!」


お昼休みも、冬花さんの声。

私の方を申し訳なさそうに見る絢星くんに、お弁当を渡す。




「私、今日は友達と食べるね!」

「いいの…?」

「うん。

転校初日で不安だと思うし…」


「そっか、気を遣わせてごめん」




絢星くんの、せいじゃないのに。
気を遣ってくれてるのは、絢星くんの方だ。




「夕陽ちゃん、うちらと食べよ!」


「うん、ありがとう!」




友達の机で、お弁当を広げる。


「偉いね、夕陽ちゃん…私だったら嫌だって言っちゃうなぁ」



最初の頃は、「なんで夕陽ちゃんが南雲くんと?」って言ってたクラスのみんなも、最近は応援してくれてる。




「そんなのじゃないよ…

私が2人のこと見てる勇気がないだけ、っていうか」




ヤキモチ妬いてる自分が、嫌いで。

自分の中にこんなにもドロドロした感情があったんだって思い知らされて。




今日は、一緒に帰れないのか。


最近ずっと一緒に帰ってたから、寂しいなぁ。





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