初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
…そんな日が、1週間も続いた。
隣の席にいるのに、全然喋れなくて。
いや、私も2人の会話に入ればいいんだけど、2人の会話には中学時代の話とかが多くて、なかなか入れない。
…そもそも、人見知りな私には冬花さんに話かける勇気がなくて。
さすがに、寂しい。
ご飯も、別。帰るのも別。
もしかしてこれ、自然消滅ってやつなのかな。
付き合うのも、恋するのも、なにもかも初めてだから何も分からない。
私から絢星くんに話しかけるのも、なんだか気が引けてしまう。
けど。
「夕陽、教科書貸して」とか。
「借りた本読んだよ」とか。
いつもより積極的に話しかけてくれる絢星くんに、私の方が戸惑ってしまっている。