初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
知らなかったんだから、仕方ない。
それでも絢星くんは、いつも我慢して嫌いなトマト食べてくれてた。
でも。
恥ずかしいとか、悔しいとか、嫉妬とか。
なんかいろんな感情が、今まで溜めてきた感情が、全部溢れたみたいに。
それは涙になって、頬を伝った。
何だろ、何で泣いてるんだろ。
トマト。それだけで泣くなんて、意味分からない。
でも、後から後から溢れる涙は止まってくれなくて。
「え、と…なんかごめんね…?」
冬花さんも戸惑ってる。
絢星くんだって、きっと引いてる。迷惑してる。
ちがうの、トマトがショックだったんじゃないの。
…なんかもう、自分でもわけわかんない。