初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。



知らなかったんだから、仕方ない。

それでも絢星くんは、いつも我慢して嫌いなトマト食べてくれてた。



でも。



恥ずかしいとか、悔しいとか、嫉妬とか。

なんかいろんな感情が、今まで溜めてきた感情が、全部溢れたみたいに。


それは涙になって、頬を伝った。




何だろ、何で泣いてるんだろ。


トマト。それだけで泣くなんて、意味分からない。


でも、後から後から溢れる涙は止まってくれなくて。




「え、と…なんかごめんね…?」



冬花さんも戸惑ってる。

絢星くんだって、きっと引いてる。迷惑してる。


ちがうの、トマトがショックだったんじゃないの。



…なんかもう、自分でもわけわかんない。




< 158 / 247 >

この作品をシェア

pagetop