初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。



トン、と肩に触れる体温。


私の肩には、絢星くんが寄り掛かっていて。

途端にドキドキうるさくなる心臓。




「全然、夕陽と喋ってない」


「え…」


「寂しかったの俺だけ?」





なに、それ。

寂しいなんて、思ってくれてたの?




「わ、私の方が寂しかった…」


「…今日、一緒に帰ろ」


「でも、冬花さん…」


「もう帰り道覚えたでしょ」




そういう問題じゃ、ない気がするけど。


でも、その優しさが嬉しい。





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