初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
「おはよう、夕陽ちゃん」
「おはよう」
友達に挨拶して教室に入ると、やっぱり今日も仲良く話している絢星くんと冬花さんがいた。
もう見慣れてしまったこの光景に、心がモヤモヤしないといえば嘘になるけれど。
「おはよう、夕陽」
私に気付いた絢星くんが声をかけてくれて、それに続いて冬花さんも「おはよう」って言う。
「…おはよう、2人とも」
なんて言うか、うまくいえないけど。
冬花さんが絢星くんによく触れることとか、2人の距離が近いとか。
そんなことよりも、この自然な仕草が嫌で。
2人で喋っていた顔を、絢星くんにつられて上げた、みたいなのが、2人の仲の良さを表してるみたいで。
本当、小さなことを気にしすぎだとは思うけど、長い間積み重ねた時間だとか、一緒にいることが自然な絆だとか。
そういうのが私にはないから、かもしれない。