初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
「夕陽ちゃん」
「伊織先輩、どうしたんですか?」
放課後、保健室でノートを書いていると、ガラリと開いたドアから入ってきたのは保健委員3年の伊織先輩。
3年生はもう引退しているため、会うのは久々だ。
というか、3年生はこの時期受験の準備のため、学校で見かけることも少なくなってしまった。
「久々に顔でも見ようと思って」
「しばらく会ってないですよね」
「うん、あと報告」
「え?」
「推薦で志望校合格しました」
にっこり笑う先輩に、思わず笑顔になる。
「おめでとうございます!すごいです!
じゃあもう、受験勉強は終わったんですね?」
「そう、だから夕陽ちゃんの手伝いでもしようかと思って」
「え…」
机を1つ挟んで、前に座った伊織先輩。