初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
「はぁ…」
自分の部屋で窓の外を見れば、綺麗な星空。
絢星くんに教わった夏の大三角は、もう見えなくなっていた。
…当たり前か、夏じゃないもんね。
見える星は、変わる。
人の気持ちだって、きっと。
というかそもそも絢星くんの心の中に、私は存在すらしてなかったのかもしれない。
「好き、だったなぁ…っ」
気付けば溢れていた涙に。
思い出す、いろんな絢星くんの表情に。
初めて目が合った時の、吸い込まれるような瞳に。
さよなら、しなきゃいけないのかもしれない。