初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
「絶対嫌なんだけど…」
「姫からのご指名は絶対でーす」
嫌がる絢星くんも、みんなの勢いに押されて王子役をやることになっている。
「…いいの?夕陽ちゃん」
コソッと聞いて来る友達たちに、大丈夫だよ、とへらりと笑った。
きっと2人はどんどん仲良くなって。
私の入る隙なんて少しもなくなって。
本物のお姫様と王子様みたいになって。
でもそうしたら、さすがに諦めがつくかもしれない。