初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
「じゃあ早速明日から練習始めるんで、放課後部活のない人たちは教室に残っててください!
今日は解散!」
その言葉にみんな喋りながら教室を出て行く。
「絢星、相手役よろしくね」
「…やりたくないんだけど」
「私だって絢星とじゃなかったらやりたくないもん」
「…」
結局、2人があの後どうなったのか。
冬花さんの告白になんて返事をしたのか。
それを私は知らないし、知りたくもなかった。
そんな2人の会話を横目に、教室を出ようとすると。
「…待って、夕陽」
突然呼び止められて、絢星くんの方を振り返る。
「今日、委員会あるの?」
「ない、よ」
「じゃあ一緒に帰ろ」
バッグを持って立ち上がり、当然みたいに私の隣を歩き始めた絢星くんに、今日は胸が苦しくなるばっかりで。