初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
「夕陽は、そんな風に思ってたんだ?」
「え…」
「元気なかったのって、俺のせい?」
そう言ってやっと顔を上げた絢星くんは、眉を下げて、苦しそうに笑った。
その傷ついた顔に、ドクンと心臓が跳ねる。
「ごめん、俺、先帰るわ」
「絢…」
「傷つけてたならごめん。
……先輩が好きなら、そっち選んでいいから」
その言葉が、鋭く私の心に刺さった。
そうか。そうだよね。
背を向けた絢星くんの背中が、涙でぼやけた。