初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
「…あ、」
絢星くんもこちらに気付いて、少し目を逸らした。
それだけのことに、すごく悲しくなった自分がいて。
目、逸らされた。
そうだよね、私のこともう嫌いなのかな。
いろんなことぐるぐる考えながら自販機にお金を入れて、オレンジジュースを買った。
「…っ、絢星く…」
意を決して話しかけようとして振り返ったけれど、そこに絢星くんの姿はもうなくて。
「あ…」
もう遠くを歩いている絢星くんの背中に、心臓がギュッて掴まれたみたいに苦しくなった。