初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。



呼んでくれた、天体観測会も。


初めて行った、プラネタリウムデートも。


祝ってくれた誕生日も。


4人で行った遊園地も。


初めてキスした観覧車も。


一緒にサボった授業も。


好きって言ってくれた卵焼きも。




いつもなんだかんだ優しいところも。


たまに意地悪するところも。


あの切なそうな顔だって、全部。





忘れられるわけ、ない。




私の心に深く刻み付けられた思い出たちは、消えてくれることはきっとなくて。



むしろどんどん深くなって、痛くて、苦しくて。



思い出すだけで心の奥が温かくなるくらい、大好きで。






…私のこと、好きになって欲しかった。





適当に答えた「この人?」って言葉。

それがなければ始まらなかったけど。




どうして私を選んだのか。

隣だったから?

都合良さそうだったから?


絢星くんは、本当にそんな人なの?







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