初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
ーーー『2年A組による白雪姫です』
文化祭当日。
体育館の舞台の幕が上がり、継母の格好をしたクラスメイトが出てくる。
鏡よ鏡、ってあの有名なセリフから劇が始まった。
「ねえねえ、この劇って南雲くんが王子役やるんでしょ?」
「ねー、楽しみ!」
なんてささやき声がいろんなところから聞こえる。
「冬花ちゃんが白雪姫とか、お似合いすぎる…!」
「あれ、でも南雲くんって彼女いなかった?」
「あー、あれ別れたらしいよ」
「え、そうなの?」
そんな噂話に耳を塞ぎたくなりながら、舞台裏に向かった。
舞台裏には既にクラスのみんなが集まっていて、そこには王子の衣装を着た南雲くんの姿も。
…格好いいなぁ、もう、1週間以上話してないけど。