初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。




そして大成功に終わった1回目の公演。

よかったねー、なんてみんなと笑いながら、どこかモヤモヤしていて。



文化祭だから、いつもよりメイクに気合が入って、髪もくるくる巻いて。

友達とお揃いで可愛い格好したり、好きな人に思い切って話しかけたり。



そんな浮き足立ったみんなの中で、私はひとりで屋上にいた。





「……ばか」




南雲くん、怒ってるみたいだった。

なんでだろう、私、何しちゃったんだろう。



いい加減うざかったのかな。

もう早く別れたかったのかな。


…でも、私と一緒にいてくれた南雲くんは、本当にそんな風に適当に人と付き合ったりする人だった?




…ずっと、何かが引っかかってる。

そのモヤモヤが取れなくて、苦しい。




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