初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
「…夕陽はさ、自分に自信がないんだよ」
「うん…」
「だからそうやって、ぐるぐる悩んじゃうんだよ」
「…うん」
「でもね、夕陽はかわいいよ」
「…」
賑わう屋台を上から見ながら、乃愛ちゃんが話す。
「夕陽はかわいいし、優しいし、いい子だよ。
私が男だったら絶対夕陽が好きになるよ。
南雲くんだって、好きになったはずだよ」
「それは乃愛ちゃんが優しいから…」
「違うの!南雲くんだって絶対同じこと思ってるの!
…もうちょっと自分を、
南雲くんを信じてあげてもいいんじゃない?」