初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
…そんなこんなで、劇に出ることになってしまった私。
冬花さん用の衣装だから少し裾が長いし、白雪姫の格好なんてしたことがないから恥ずかしいし。
冬花さんみたいな可愛い子が着るから可愛いのであって、私だったらどうなんだろうとか。
南雲くんの隣に並んでもいいんだろうかとか。
いろいろ考えたけど、もうどうしようもないから。
当たって砕けろだよ、夕陽!
ーーー『2年A組、白雪姫です』
ブー、とブザーが鳴り、幕が上がる。
南雲くんの練習を見てたから覚えていたセリフを頑張って話す。
ぶっつけ本番だし、練習してないから棒読みだったかもしれないけど。
私なりに頑張ったつもりだ。
そして、ラストシーン。
倒れた白雪姫に、王子がキスするシーン。