初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
「最初は…確かに、南雲くんのこと怖いと思ってたけど」
私も俯いたまま話し始めた。
「やっぱり怖かったんだ…」なんてヘコむ南雲くんが可愛いだなんて、失礼かな。
「でも今は、
会えなかったら寂しいし、
他の女の子と一緒にいるの見たらモヤモヤするし、
知らなかった南雲くんのいいところを見つけるたびに、どんどん“好き”が大きくなっていくよ」
面と向かってこんなこと言うのは、恥ずかしい。
でも私たちにはきっと、それが必要で。
「だからこれからも、いろんな南雲くんを知りたい」
そう言った瞬間、ふわりと包まれた温もり。
目の前には南雲くんの王子様の衣装。
そして私を包むのは南雲くんの香り。