初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。



天文部に所属している俺は、帰りが夜遅くなることが多かった。

そして、いつも、暗くなってから帰ろうとするたびに保健室から明かりが漏れているのが見えて。



そしていつも、一生懸命、保健委員の仕事をしている女の子がいた。




時にはひとりでノートを書いていたり。

時には先生の手伝いをしていたり。



大変そうなのに嫌な顔1つせず頑張る姿に、いい子だな、なんて思って。



同じクラスだけど。

一方的に気になってはいるけど。



それでも女の子と話すことなんて滅多にない俺と、引っ込み思案な彼女に接点なんてなかった。



隣の席になっても、なかなか目も合わせてくれなくて。



…まあ、俺みたいなそっけない男子が苦手であろうことは分かっていたけど、ここまで話せないと焦ってくる。






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