初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。



だから、チャンスだと思った。





「絢星って好きな人いるの?」




友達のその質問に。



「あー、この人?」





できるだけ平静を装ったものの、実はかなり緊張していたし。


驚いた顔でこっちを見上げる夕陽の、初めて正面から見た顔にドキッとしたし。






「…付き合う?」





正直、頷いてくれるなんて思わなかった。


でも、もし、付き合えることになったらラッキーで。

そしたら好きにさせるチャンスも増えるわけで。



とにかく、この状況を変えたかった。





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