初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。



「あ、ありがとう…ございます」



「何で敬語なの」



ふっ、と可笑しそうに笑うから、こっちまで思わず笑ってしまう。





少し照れたような眼鏡の奥の瞳。

好きだなあって、思った。





「絢星くん、」


「ん、なに?」



「また一緒に、星見たい」


「そうだね、見に行こうか」




優しく笑ってくれるところも。


前よりいっぱい目が合うところも。


全部、嬉しい。




なにか特別なことをするわけでもない。

私が日誌を書いて、絢星くんが本を読んで、たまに喋って。


そんな時間が、とても幸せで。





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