初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。



「…よし!」




午後6時。

出かける前の最終チェック。

鏡の前で新しいワンピース姿の自分を見て、気合いを入れる。



「変なところないよね…」



念入りに前髪を整えたりして、行ってきます、と家を出る。



土曜日の夜。

暗くなり始めてからのお出かけ。



それだけでもなんだかワクワクしてくるのに、絢星くんと星を見に行くなんて、そんなの楽しみすぎて。




空を見上げれば、だんだんと青が深さを増していく。





「絢星くん!」




待ち合わせの駅前にはすでに絢星くんがいて、驚いて駆け寄る。

まだ10分前だし、私の方が早いと思ったのに…。




「お待たせしました…!」


「俺も今来たところ」




優しく笑ってくれるから、私も思わず頬が緩んだ。




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