初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
02.君の心は読めない
「…あの、」
「…」
…無視、されてる。
心折れそうになりながら、俯く。
夏の夜。
涼しくて心地よい風が私の髪を揺らした。
ここは学校の屋上で。
南雲くんと、天文部の人たちが揃って天体望遠鏡を覗いている。
天体観測会っていう、天文部の活動らしい。
そこにどうして私がいるのかっていうと、南雲くんに呼ばれたからなんだけど。
『土曜日の夜、用事ある?』
『え…』
『ないよね、8時に学校に来て』
『(勝手に暇人扱いされた…)』
まあ、彼の予測通り私に予定はなくて。
断る口実も思いつかなくて、学校に来てみてから初めても天体観測会の存在を知った。