初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
目が暗さに慣れてくると、見つけられた気がする三角形。
あれ…かな?
「明るい星3つを繋げばいいの…?」
「そう、全部一等星。
わし座のアルタイルと、琴座のベガと、はくちょう座のデネブ」
星のことを話す南雲くんは、なんだかいつもより楽しそうで。
その優しい表情に、こっちまで笑顔になってしまう。
「あれは何座?」
もっともっとそんな表情が見たくて。
もっと、いろんな南雲くんが知りたくて。
楽しそうに、笑ってほしくて。
私も南雲くんの好きなものを、知りたくなって。
「…ん、どれ?」
そう言って私のすぐ隣で望遠鏡を覗き込む南雲くんに、心臓がドクンと跳ねた。
触れている肩に、近すぎる体温に、耳元で聞こえる声に。
ドキドキして、どうしていいか分からなくて、俯いた。