初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
「もう夜も遅いから活動終わるぞ、気をつけて帰れ」
しばらくすると、顧問の先生がそう言いに来た。
時計を見ると、もう10時。
陽の長い夏であっても、さすがにもう真っ暗だ。
みんなが天体望遠鏡を片付けたりしてバタバタしている間、手伝おうにも気軽に望遠鏡に触ることができずつっ立っていると。
「あの、さっきは急に話しかけてすみませんでした」
南雲くんの彼女なのかと質問してきた、後輩の男の子。
「南雲先輩、妬いたんですかね!?」
ニヤニヤしながらそう言う後輩くんに、首をかしげる。
「妬いた…?」
「彼女さんと僕が喋ってるの見て、たぶんヤキモチ妬きましたよ!」
「え…」
急に熱くなる頬に、首を振る。
「そ、そんなわけないよ!」
まだニヤニヤ笑う後輩くんは、楽しそうに続ける。
「ありますよー!
南雲先輩、ちょっと僕の方睨んでたし…」