初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
「南雲先輩が彼女連れてくるのも初めてなら、あんな表情するのも初めてで…
いつもクールだけど、あんな一面もあるんだって思ったら何か嬉しくて!」
初めて…なんだ…。
それって私が高校に入って初めての彼女ってことなのかな?
…いや、それはないか。
女嫌いみたいな噂があるけど、それでもモテるくらい格好いい人だ。
きっと部活に連れてこなかっただけなんだろうな。
…でも、どうして私のことは連れてきてくれたんだろう。
後輩くんも天体望遠鏡を片付けに行ってしまったので、1人でぼーっと空を見ていると。
「北山さん」
不意に呼ばれた名前に驚いて、ビクッとしてしまった。
…恥ずかしい。
振り返ると、帰る支度を終えた南雲くん。