初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
『南雲先輩、妬いたんですかね!?』
さっきの言葉が頭をぐるぐる回る。
違うんだよ、きっと、勘違いだよ。
でも、もしも本当だったら。
ヤキモチを妬く理由なんて、他に何があるの…?
私の恋愛経験がないから分からないのかな…?
手を伸ばせば届くくらいの距離の南雲くんの背中に、聞いてみたくて。
でもそんなこと聞ける私じゃなくて。
靴を履き替えて外に出ると、外はもう真っ暗。
蝉が鳴く夏の夜は、風が気持ち良い。