初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
「あ、じゃあ…」
2人の帰路が別れる道で、また明日、と言おうとすると。
「暗いし送る」
「え…大丈夫だよ?」
「いいから」
有無を言わせない圧力に、申し訳ないなと思いながらも私の家に向かった。
…何か、喋ったほうが良いのかな。
でも、何を喋れば良いんだろう。
思いつく話題が全部つまらないような気がして、自分が嫌になる。
「…何喋ってたの?」
「へ…」
「後輩と」
「…ああ、えっと」
南雲くんの話、だけど…。
自分で言うのははばかられる。