初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
「そういえば」
ふと、本から目線を外して口を開く南雲くんに、私も顔を上げる。
「北山さんは球技大会、何出るの?」
「バレー…」
そう、もうすぐ球技大会だ。
行事の雰囲気は好きなんだけど、イメージ通り運動音痴な私は、球技大会はあまり楽しみじゃない。
自分の出番さえなければ、応援するだけなら、楽しいんだけどなぁ。
「バレーできるの?」
「できると、思う…?」
「全く」
躊躇なく答える南雲くんに若干傷つきながらも、事実なので何も言えない。