初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
目を閉じていたことにも、気付いてなかった。
「手の出し方はいい感じだから、目開けてね」
そしてまた向かってくるボール。
怖い、けど。
目を閉じないように意識しながら、ボールの動きを目で追う。
と。
今度はしっかり私の手に当たったバレーボールは、ふわりともう一度宙に浮いた。
まあ、そのまま全然違う方向に飛んで行ってしまったんだけれど。
「当たった!」
空振りばかりしてしまう私からしたら手に当たっただけでも嬉しくて。
そんな私を見て、南雲くんはまた、ふわりと笑った。気がした。